AとBと共有で登記されているものをAのみとしたい、など共有名義の解消に向けてご検討をされている方も多いかと思います。
不動産が共有になる理由は様々です。
ご夫婦で資金を出し合ってマイホームを購入した場合、親子間等の税務上の優遇措置を利用して不動産を購入した場合、相続によって複数の相続人の名義になった場合などなど。
とはいえ、共有状態のままだと売却や先々の相続などを考えた場合、何かと不都合が生じやすいのも事実です。
そのため、共有名義の解消をご検討されるかたも多くなっています。
この共有名義の解消は、登記手続きの他に税金(税務)のことも視野に入れて考える必要があります。
例えば、親子(C・D)の共有になっている不動産があるとします。
CDとしては、親であるCが高齢のため、今後もこの不動産に住ませてくれることを条件にCの名義をDに変更したいと考えています。
この場合の登記手続きは、CとDが必要な書類を準備して、Cの持分をDに変更する登記(C持分全部移転登記)を申請すれば登記名義を変えることは出来ます。
その登記申請の際に、名義を変える原因(理由)を記載しなければなりません。
原因(理由)とは、例えば「贈与」とか「売買」などですが、当事者(CD)としては、まさか親子間で売買もないので、気軽に「贈与」として手続きをしたとします。
この場合、後日、贈与税の課税がされることが十分に考えられます。
ただ不動産の名義を変えただけなのにと思われるかもしれませんが、贈与税の基礎控除以上の贈与を行えば贈与税の対象となります。
基礎控除は一般的に年間110万円ですが、持分とはいえ不動産を贈与すれば基礎控除を超えてしまうことは十分に想定できます。
不動産の名義変更のやり方については、インターネットでいろいろな情報が出ています。
ひな型なども豊富なので、ご自身で名義変更の手続きは出来てしまうかもしれません。
しかし、その登記の結果として贈与税や各種の税金が課税されたり、次年度の健康保険料等にも影響を及ぼす可能性もあります。
共有名義の登記がされている登記簿を「まるで消しゴムで消して書き換えるかの如く」、インターネットの情報に基づいて気軽に手続きをしてしまうと、後日思わぬ税金の支払い通知などが来てしまいます。
共有の解消は是非専門家へご相談ください。
弊所では、税理士を交えての相談が可能です。
また、不動産の売却をご検討の方も、売却も含めてご相談いただけます。
お気軽にお問い合わせください。
「名義変更したいのだけど、どのような手続きになるか教えてほしい」というご相談をお受けしますが、その際は、必ず名義変更の原因・理由をお伺いしております。
特に理由もなく、ただ「共有になっていて、共有者の一人が高齢なのでどうにかしたくて・・」というご質問も多いのですが、理由もなく「贈与」として名義変更をした場合の例は上記の通りです。
高齢となり共有を解消したいという場合は、生前対策として遺言の作成や、数回の持分移転など、法務・税務から検討していく必要があります。
共有名義の解消は思われている以上に面倒な手続きであるというご認識は必要かと思います。
まずはお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。